mudmanをピスト化
トラックコグ(fixed cog)を買いました。
フリーホイールではない(ラチェットが無い)、いわゆるピストバイクのタイヤとペダルが連動して回るアレです(後ろ向きにペダルを回すとタイヤも後ろに回ります)。
これがどんなものなのか、ずっと試してみたかったのです。
DYLAN BUFFINGTON from MASH TRANSIT PRODUCTIONS on Vimeo.
日本の道路事情や道路交通法と照らし合わせるとムニャムニャですが、楽しそう。
なお言葉の定義ですが、僕は以下のように理解しています。(間違っていたら教えてください)
・シングルスピード→変速が無くフロントもリアも歯数は変わらず、フリーホイール
・固定ギア→変速が無くフロントもリアも歯数は変わらず、フリーホイールではない
・SSCX→シングルスピードでのシクロクロス
・トラッククロス→固定ギアでのシクロクロス。
今回は固定ギアにしてみた、というお話です。
①ギア比
ギア比は2.3を目指します。
トラッククロスをやってみたいと言ったら、ショップの店員さんのお勧めは普段のシングルスピードよりちょい重めとのことでした。
最初にエキセンハブでシングル化した際にチェーン長の調整で大変な思いをしたので、何か机上で検討出来ないか。
42×22→1.9○
42×21→2.0○(普段使い)
42×20→2.1×
42×19→2.21?行ける気がする
42×18→2.33?行ける気がする
42×17→2.47?危ない気がする
なんと雑な。。○○×を繰り返す、『定期的に駄目な組み合わせパターンが存在する』という仮説です。
ですが大当たり。
シングルの42×21と同じチェーン長で、固定ギア42×18でチェーンのテンションを保ち、ブレーキシューの位置も調整できました。
②チェーンの厚さ
チェーンには薄歯と厚歯があります。ざっくりとロードのように変速前提のチェーンは薄歯。競輪は厚歯となります。厚歯のコグで薄歯のチェーンは使えないそうなのでこの辺は考えないといけないのですが、トラックコグも薄歯にしました。
⚫買ったもの
・トラックコグ White industries track cog
・工具ロックリング工具
もともとシングルで走る時用のチェーンと固定で走る時用のチェーンを分けて使うと運用を覚悟していたのですが、前述のように同じチェーンを使い回す事ができました。
⚫走ってみて
『何だこれ?』というのが第一印象。
ペダルと後輪が連動するということは、前後に動いて後輪を回さないとペダルの位置を変えられないという事です。当たり前のことですが、これが制約になります。
僕は変な癖があるのか、右足が時計で言う『一時の位置』辺りでないと踏み込めなくて、信号待ちからのスタートが結構苦戦します。
また走っている時に常に脚を止めてはダメで、これを忘れて足がペダルに弾かれて転びそうになりました。
シングルスピードにする際にディレイラーを取り外した時には、変速するだけでなくチェーンのたるみ調整をしてくれる変速機の機構に気付き、素晴らしい技術だと感動しました。
ですが、そもそもフリーホイールがめちゃくちゃ凄い発明なんですね。自転車を誰でも乗れる乗り物にした、まさに革新的な技術。
⚫ピストトリック
取り敢えずスキッドをやってみましたが、なかなか楽しい。
ポイントはビンディングでやること。
一般的にはトゥークリップを使うようですが、僕は持っていないのでいつものクランクブラザーズのビンディングを。
そして後輪をロックする時に『後ろ足で踏み込み、前足で引き上げる』と上手くいきます。
また姿勢は前輪過重でステムに腰を付けるイメージでエビ反りです。
ゆるい下り坂がやり易いです。
ただし実はギア比に注意があって、ギア比によってはスキッドで後輪を固定した際に常にタイヤの特定の部分が地面と接し、結果すり減ってしまうそうです。
残念ながら42×18はあまりよろしくない、という事を後から知りました。ギア比が割り切れなければ問題ないかと思っていたら、そうでもなかった。
また次はバックサークル(後ろ向きにクルクル回るヤツ)をやってみたいけど、思ったより難しそう。スタンディングがちゃんと出来ていないことを思い知りました。
といった感じです。
固定ギアがペダリングの向上になるかはよく分からないし、ラチェット音が無いのは寂しいですが、これはこれで楽しい。今のギア比2.3だと10%以上の坂はちょっとキツいけど、時間があったらロングにも行ってみたいです。